女子バレーボールについて思うこと

女子バレーボールの瑣末的観察ブログ。選手への敬称略で勘弁。

春高バレー2016 金蘭会vs東九州龍谷

春高バレー3日目が終りました。

初日から今日まで、つまみ喰い的に見てきて、やはりもっとも白熱した試合は昨年の優勝高校である金蘭会と、なんだかんだで長年優勝候補の最右翼になる東九州龍谷との対戦でした。

久光製薬の中田監督が石井選手に「モノがちがう」と言ったことがよく話題にされるけれど、この2つの高校の対戦は、それこそ「モノがちがう」と思わせる闘いでした。初日、2日目と、それこそ「県大会は勝ち抜いたけど、しょせん高校生レベル」というプレイも散見される試合をずっと観続けていたところにいきなり金蘭会vs東九州龍谷を見ると、やはり「図抜けた闘い」という感じです。

東九州龍谷の長袖のクラシカルなユニフォーム。しかし色は赤。情熱の赤です。でもセ選手たちは感情をあらわにして笑ったりしません。とてもストイックな軍団です。

一方の金蘭会は新興勢力で、出身のVリーガーは日立に入団したリベロの小池選手ぐらいでしょうか。つながりがないためなのか、選手はけっこう進学する傾向にあるらしい。さすがに現在2年の宮部選手が卒業するときには昨年の古賀選手以上のオファーが殺到するでしょうけどね。

宮部選手が目立っていますが、白澤選手の活躍ぶりもものすごいものがあります。決定率が思い切り高そう。即戦力ですが、ネット情報では進学だとか。昨年の丸尾選手も進学したんですよね。

それはともかく、金蘭会も東九州龍谷も、ともに隙がないです。ボールはなかなかコートに落とさないし、ミスもほとんど見られない。個々の選手のスキルも高いし、チーム内の呼吸も合っている。

がっぷり四つに組んだ試合は、案の定、デュースにもつれこみ、見ている方も含めてどきどきさせてくれました。こういうハラハラ展開に何度もなるというところも含めて一流です。わざとしているわけではないのに、なぜかもつれてしまう。

「事実上の優勝決定戦」との声もありますが、そうではなく、こういう対戦が2日目に実現してしまうところがいいのだと思います。

ホメちぎってしまいましたが、まだホメ足りないような気分です。ともあれ、今日で4強が出そろいました。東京勢が3チームという、昨年の大阪どうしで決勝みたいなアンバランスぶりですが、そんなところも高校バレーの面白さのひとつでしょう。

金蘭会はまず八王子実践と闘います。宮部と東谷の「アフリカ系ハーフ対決」が見ものです。東京の3チームにはそれぞれ弱点があります。そこを金蘭会が突けるかどうかが勝敗(2連覇)の分かれ目になるでしょうね。