女子バレーボールについて思うこと

女子バレーボールの瑣末的観察ブログ。選手への敬称略で勘弁。

藤田夏未選手@トヨタ車体クインシーズ


現在の日本バレーボールの実業団リーグをVプレミアリーグというのだけれど、女子バレーの場合、久光製薬が図抜けて強いという状態。
なにしろ日本代表チームの大半が、じつは久光製薬に所属しているというわけで。
そんなわけだから、強い久光製薬にほかのチームが挑むという構図になっている。
バレーボールというのはチーム競技であり、さらに「流れをつかむ」というような言い方をしているのだけれど、必ずしも「強い選手をたくさん取り揃えている」チームが常に勝つというわけではないところがおもしろい。どのスポーツでも「下位のチームが上位のチームに勝つ」ということは起こるけれど、とくにバレーボールではそれがある。しかも試合展開もそこそこに早いので、そういう類いのダイナミズムが生まれやすい。
今年のVプレミアリーグは11月30日に所沢で開幕。
最初の試合では久光製薬東レに勝った。
そしてその翌日の試合。
久光製薬vsトヨタ車体
トヨタ車体はVプレミアリーグ8チームの中では、おそらく順位予想では今期、失礼なことを書いてしまうけれど最下位になるかもしれないと思われているチームだ。
それが、フルセットの末、トヨタ車体が勝利してしまった。まさに番狂わせというやつ。
リーグ戦の一試合。しかもリーグの終盤ではなくまだ2戦目。
なのにこの勝利にトヨタ車体の選手たちは涙して歓喜していた。
添付画像はトヨタ車体のセッター、藤田選手。
これは第5セット目。
第5セット目はどちらか15点取った方が勝ちなのに、お互い譲らず21対22という熱い競り合いになった。
高校生のように、心が折れそうですという表情は見せないけれど、むしろそんなエモーションを押し殺したかのようなこのひたむきな表情と、試合に勝ったあと、思わず溢れ出てしまった涙がよかったです。