皇后杯の決勝ラウンド、12月18日に実現したこの試合について今日は書きます。
金蘭会高校は2015年1月の春高バレーで優勝した高校です。その後、全日本代表に参加したためにエース宮部抜きで前年の大学日本一だった日体大と対戦し、勝ってしまうということもあったとか。
それがVリーグに参加していないけれども、四国地区でのトーナメントを勝ち抜いてきたCLUB EHIMEと対戦することになりました。
このCLUB EHIMEが言ってしまえば謎のチームです。
まず、ホームページがありません。facebookにページがあるくらいです。だから、ネット検索してみても、所属選手一覧のようなものが出てきません。
昨年、それまでプレミア>チャレンジ>地域リーグというふうにバレーボールチームの階層ができていたところに、チャレンジと地域リーグの間にもうひとつリーグをつくることになりました。そこで、10チームあったチャレンジリーグから、2チームを新たなリーグ「チャレンジ2」に移動したのでした。9位と10位だったGSSサンビームズとトヨタ自動車がそこに移動。
さらに地域リーグから群馬銀行、ブレス浜松が参加、そして新しくつくられたプレステージを加えて全部で5チームでリーグがスタートしています。
そこに加わるのかと予想されたのに、結局は参加を見送ったチームがいくつかあります。そのひとつがこのCLUB EHIMEです。本拠地は愛媛県の松山市。
ともあれ試合が始まりました。
結果的には3-1で金蘭会高校が勝ったわけですが、これはとても面白い試合でした。
社会人チームであるCLUB EHIMEがどちらかと言えば素直でストレートな闘い方をしたのに、金蘭会高校の方は要所要所で老獪なテクを披露したのです。
「素直でストレート」というのは、ひねって言えば「工夫や斬新さに欠ける戦法」であるとも言えるでしょう。「老獪な」というのは、複雑なフォーメーション、小手先的な駆け引きなど、要するに相手の裏をつく戦い方です。さすが「宮部が在籍している間の3年間は春高バレーを制するだろう」と言われるだけのことはあります。1人のずば抜けたスター選手の力だけでは勝てません。高校生らしさを捨てて、とにもかくにも勝てるバレーをしています。
来月(2016年1月)の春高バレーにどのぐらい金蘭会高校は勝ち進むのか。
意外と言っては失礼だろうけれど、四国トップの実力をみせたCLUB EHIMEは今後Vリーグに参加してくるのか(スポンサー次第でしょうけどねぇ)、そこらへんが今度の興味のポイントでしょうか。